prologue
玄関を開けたら、緑が目に飛び込んでくるような家。という要望のあったご夫婦。
まず3つの庭を配置し、その隙間に建てたように家をプランニングしました。
パッと現れて目を奪う庭。リラックスしながらのんびりと眺める庭。ふと見下ろした瞬間に季節のうつろいを教えてくれる庭。生活動線と3つの庭が上手く調和し、何気ない日常に印象的なシーンをつくり出します。
玄関に入ると、その先に現れる庭。
大きな窓からは明るい光が差し込み、光に導かれるように顔を上げるとシンプルなロックガーデンが目に飛び込んできます。
段差を設けた2枚の飾り棚には間接照明を、ガーデンにはスポットライトを設置し、昼も夜も印象的な景色が楽しめるよう工夫しました。
玄関から縦長に見ていたお庭。リビングからは、パノラマのように横長で楽しめます。
同じ庭でも、見る角度や場所によって印象が違って見えるので面白いです。
吹抜けのあるリビング
建物南側に吹抜けを設け、明るいリビングに。
庭に作ったウッドデッキが、外と中を緩やかに繋いでリビングに広がりを持たせています。
実際の面積以上に広く感じる空間は、まさに建築家とつくる家の醍醐味ですね。
食事を楽しむLDKのカタチ
決められた敷地内で、広く感じる空間をつくるためLDKが一体となった間取りにすることが多くあります。
E様邸も一体型LDKで設計されているのですが、LDKのカタチをL字に設計しているところが特徴的で、「キッチン・ダイニング」と「リビング」を仕切らずにゾーニングしています。
お料理の講師をしているご婦人。
食事やティータイムにお客様や友人を招き、一緒に料理をして一緒に食べる時間が楽しみなんだそう。
キッチンは、大人数でも調理がしやすい対面型のオープンキッチンにしました。
キッチン奥には一坪のパントリー。
パントリーを通ってキッチンの周りを回遊できるようになっており、
見た目は壁付のキッチン(ペニンシュラ)タイプに見えますが、アイランドキッチンのような使い方ができる面白い設計になっています。
小さな書斎
主寝室とウォークインの間に、小さな書斎を設けました。
吹抜けに面した部分は、壁を低くしています。
吹抜けを介して、リビングにいる家族の声や生活の音が心地よく聞こえてきます。
家族と程よい距離感で各々が自由な時間を過ごせる。居場所づくりも大切にした設計になっています。
外と内を繋ぐウッドデッキ
緑のある暮らしを意識した家づくり。
お庭と、室内の繋がりを大切にしました。
ウッドデッキもその一つ。
L字のLDKに合わせて、ウッドデッキもL字に。
庭と室内が緩やかにつながることで広がりがうまれ気持ちのいい空間になっています。
また少し前に突き出した袖壁と、軒は夏場の日射遮へいが目的です。
正面の外観と合わせた、袖壁の木製のサイディングも素敵です。
ストーリー(E様へQ&A)
家づくりのきっかけは?
ご結婚をきっかけに、家づくりをぼんやりと考え始めたというE様。2人で過ごす休日の暇つぶしにと柏の葉の住宅展示場のR+houseモデルハウスにご来場くださったのが、私たちとE様との出会いでした。
家づくりでは「注文住宅」には特にこだわっていなかったというE様でしたが、モデルハウスの雰囲気がE様夫人の理想の住まいにドンピシャだったことで、一緒にお家づくりをさせていただくきっかけとなりました。
モデルハウスでそんな風に感じていただけたことは、とても嬉しいです。
建築家の林先生は?
とても雰囲気が良く、話しやすかったです。
印象に残っているのは、窓配置の話でした。
注文住宅で建てるなら、窓の数や位置などもいろいろ考えますよね。明るいリビングはみんなが憧れると思うのですが、僕たちも同様で、東側にもう一つ窓を追加したいと相談したんです。
林先生が「明るい事よりも明るく感じるかが大切です。明るさと暗さのメリハリがあるからこそ、明るいと感じるし綺麗な空間になりますよ。」とおっしゃいました。
結果、窓の追加はせずに建てましたが、住んでみて林先生の言葉通りになったので驚いています。
また、リビングに手を洗う場所が欲しいと伝えていました。
1畳のトイレを0.75畳に縮めてリビング側に造作洗面台ができるスペースを確保したのには驚きました。
何を優先したいのか、小さくしたり削ってもストレスにならないスペースは何かを、会話の中から拾い出して設計ができるのがすごいなと思いました。
建築家に依頼してよかったと思っています。
冬は暖かく過ごせましたか?
一冬過ごしてみて、あまりエアコンを使わなかったことに驚いています。
賃貸に住んでいた時よりも、光熱費が下がりました。
と嬉しいお声もいただきました
ありがとうございます
E様。お家の撮影と、インタビューにご協力いただきありがとうございました。
竣工後、お引越しの前にも一度お家を見させていただいていたのですが、玄関を入って電気をつけた瞬間の、玄関ホールから繋がる坪庭がとてもきれいで思わず何枚も写真を撮ってしまった衝撃を今でも覚えています。
パッと現れる小さな坪庭、ゆったりと眺める大きな庭、そしてお家の目の前にある公園の借景(春には桜の木がとてもきれいだそう)。
「3つの庭のある家」これからもたくさんの印象的なシーンがE様の日常をちょっとだけ豊かにしてくれるお家であってほしいと願っています。