星先生が以前、スウェーデンの厚生省担当者に健康長寿に関する現状や展望について質問していいるときに聞いたそうです。その担当者がいうには「ひとは身だしなみをよくすることで寝たきりにならない、大事なのは口紅・化粧・身だしなみだ！！」
 先生は当時から健康長寿のためには、早期のがん発見、コレステロール値を下げる、たばこをやめるなどについて訴えていましたので、意外な回答で驚ろいたそうです。たしかにスウェーデンのいきいきとした元気なお年寄りは、常にきちんと身なりを整え、女性は髪型に気を使い、きちんとお化粧もしていました。外出する時も若い時とおなじようにオシャレを楽しんでいるようにも見えたそうです。もしかして、薬をもらいに「病院」に通うより、「美容院」に通うほうがずっと健康に良いのではないか？と考えるようになったそうです。
 つまり、美容院に行くということは、仕事や買い物、外での食事など「行くところがある、今日、用事がある」ということであり、社会的な活動が多いということで、知り合いや友人が多いということが言えます。また、たいした用事がなくても常に身なりに気を使い、近所のスーパーに行く時でも「昨晩から着ている、部屋着で行くなんて恥ずかしい！」と思えることはいつまでも若々しくあるうえですごく大切な事ではないでしょうか。

 星先生の研究によりますと、多摩地区にお住いの在宅高齢者1万３千人くらいに健康長寿に関する追跡調査を行い、「社会的活動をしていない」と回答した方ほど、3年後、介護状態になってしまう割合が多かったそうです。さらに6年後の生存率を追跡すると、社会活動度が低い男性は7割、女性は5割くらいの方がお亡くなりになっていたということです。

 

 さきほどの星先生の研究によると、「外出しない人は、3年後には約3割の人が、6年後には約5割の人が死亡する」というかなり恐ろしい結果も出ているとのこと。 全国の16市町村で約2万2千人を対象に追跡調査を行ったところ「買い物ができる」ひとは「できない」ひとよりもずっと生存率が高かったというデータが取れたそうです。買い物ができるということは、まず足腰も頭もしっかりしていて、目的の店まで自力で到達できる能力も意欲もある。さらに店員さんとのやるとりもちゃんとできて、必要な商品を選び、買う、買わないを判断でき、お金を払いお釣りも貰う、そして買った荷物をちゃんと持って家に帰りつくことができる。これらすべての工程が、ときどき休憩しながらでも、ひとりでしっかりと完結できるということ、行政などのサービスを受けずに「自分で買い物にいく！」という前向きな気持ちがとても大切になるということです。

 高齢のかたがまだ出来ること、例えば買い物や食事の支度、お掃除などを「高齢なのだから、もうしなくてよい、あぶないから自分でしないほうがよい」とおせっかいにも制止してしまうことが多い地域では確実に「寝たきり」の高齢者が増えています。
 沖縄県などは寿命が長くても「寝たきり」の高齢者が多いそうです。沖縄県の方々の気質、高齢の方の面倒は周囲の方がすぐに手伝ってしまうという、ある意味すごく優しい県民性がかえって「寝たきり」を増やしてしまっているかもしれません。高齢者を敬い、大切に思うならば家族や周囲の方々もここは心を鬼にして、むやみに手助けせずに、なんでも高齢者自身でやってもらうこともこれからは重要なことかも。
 知っていてほしいことは、毎日ちょっとした買い物にいく程度の心がけで、健康寿命は延びる！ということです。適度な運動も大切ですが、無理に嫌な運動をしなくとも、自分で買い物にいく、歩く程度の日常生活の活動だけでも充分、近くに図書館などもあればいいですね、最近の高い光熱費、エアコンの充分効いた図書館に朝から出向いて、心地よいソファを陣取り各社の新聞を隅から隅まで読みまくる！なんて最高の日々の暮らし方のようで憧れます。
 図書館なら誰かに干渉される煩わしさもなく、その反面孤独を感じることもありません。新聞をすべて読み終わったら、趣味の本に手を伸ばしたり、見たことのないジャンルの面白そうな本を見つけ、新たな発見もあるかもしれません。
 Do It Yourself、自分自身の可能性を狭めずに、できることは自分でやる！という気持ちを持ち続け、楽しい生き方を目指していきましょう！では、また。